AgroBox® No.4(フルデータ測定)
AgroBox® No.3で凍結保存した結晶を使用し、放射光施設でのX線回折実験を行います。
回折像の生データをご提供いたします。
※AgroBox® No.3~6を合わせてご購入することをお勧めします。
※データ測定のみご希望のお客様は、放射光測定サービスをご覧ください。

放射光施設で回折実験
1. 結晶データ自動測定(SPring-8, KEK/PF, SLS)
X線測定のためのビームタイムは、豊富に確保しております。放射光施設としては、国内のSPring-8および高エネルギー加速器研究機構Photon Factory (KEK/PF)を主に使用し、これら2施設が運転休止中の夏期および春季は、必要に応じて海外の放射光施設を利用します。当社研究者が各サンプルに最適な施設や測定手法を選択します(SLS利用の場合も追加料金は不要です)。
基本Box 1つに対し、結晶保存用カートリッジであるUni-Puck 2個分(32サンプル)の単結晶X線回折フルデータの測定を行います。結晶のサイズや数に応じて、通常のシングルモード以外に、放射線損傷を軽減したヘリカルモード(SPring-8のみ)、複数の結晶を用いたマルチモード(SPring-8のみ)での測定を実施します。基本的に自動測定モードで行いますが、測定が難しい結晶の場合は、当社研究者の判断でマニュアル操作での測定を実施いたします。
2. 夏季期間 AichiSR で測定(無料オプション:お客様希望時)
SPring-8やKEK/PFは、夏期期間の長期運転休止期間(通常8~10月上旬)があります。SPring-8、KEK/PFに比べるとビーム強度は落ちますが、当社実績として1.15Åという高分解能での構造決定実績があります(同結晶のSPring-8での最高分解能は0.83Å)。創薬用であれば2.0Åは十分な分解能と言えますので、既にアポ酵素や他のリガンド結合状態の構造が他放射光施設で解析済みで、その分解能が2.0Åを切るような場合は、ご選択ください。

3. 大きな結晶:ヘリカルモード測定(無料オプション:SPring-8のみ可)
結晶サイズが200 µm以上ある場合には、ヘリカルモードでの測定がデータの質向上に有効です。X線の照射位置を移動させながら測定を行うことで、放射線損傷を軽減させます。これにより、1か所にX線を当てて回転測定を行うシングルモードでの測定よりも質の高いデータが期待できます。
通常の測定より時間はかかりますが、追加料金なしでご利用可能です。有効であると当社研究者が判断した場合、このモードを積極的に利用します。

4. 小さな結晶:マルチモード測定(無料オプション:SPring-8のみ可)
結晶サイズが50 µm未満または1つの結晶のみをループに回収するのが困難な場合には、マルチモードでの測定が有効です。一つのループに10~50個の結晶を乗せた状態で凍結し、各結晶から10°分の回折データ収集を行います。その後に各データを統合することで構造解析が可能なフルデータが得られます。この手法を使うことで、従来のシングルモードでは不可能だった小さな結晶からも構造解析が可能です。
SPring-8では自動測定でも利用が可能です。通常の測定より時間はかかりますが、追加料金なしでご利用可能です。有効であると当社研究者が判断した場合、このモードを積極的に利用します。


